「無人契約機」は便利。でも決してあなたは一人ではありません。

2000年代前後からは、消費者金融各社から「無人契約機」の設置が拡大していきました。

消費者金融の認知度が上がってきたとはいえ、やはり借りるのがバレるのは恥ずかしい。消費者金融というのはほとんどが、消費者金融ばっかり入っているビルが多く、ビルの入り口に入る時には誰か知り合いに見られて無いかキョロキョロしながらスッと忍者のように入ってくるものであります。

そこで登場したのが「無人契約機」であります。各社名称はいろいろあり、「無人くん」「一人でできたくん」「ロボタッチ」・・・などなど。債務者心理を気遣い、とにかく誰とも顔を合わせる事なく話す事も無くこっそりとカードが作れてしまう事が売りなのでありました。

ATM

ところがこの無人契約機、決して本当に一人ぼっちではないのです。常に中の様子はカメラから監視されており、音声でのやり取りも行うことも多いのです。無人契約機の取り扱いに困惑しているお客様にはもちろん音声でお手伝いもします。

あるお客様が、無人契約機の扱いがうまくいかず身分証のスキャンが出来ない様子でした。親切心にこちらから無人契約機のインターホンを「ビィィー」と鳴らすとお客様は「ぎゃー」と悲鳴に近い声をあげながら、ビックリして椅子から転げ落ちたのです。インターホンで説明を始めようとすると、

「無人じゃないじゃないか!」

と怒り始めてしまいました。ちょっと変わった人だったのかもしれません。私はマズイ!と思い、客を逃がすまいと声の可愛い若い女子社員に変わってもらいその女子社員に、とにかく上手い事言ってお客様をつなぎとめろと指示しました。ところがその女子社員も突然の事態にどうする事も出来ず、お客様は逃げるように帰ってしまいました。

無人契約機には女子社員の、

「お客様~!お客様~!」

というかん高い声だけが響き渡るという、まるで漫画かコントのような間抜けな光景が取り残されていました。